睡眠は1日のうちの約3分の1の時間を占める、身体を休める大切な時間。どうせなら快適な睡眠をとりたいですよね。そのためには寝具にこだわったり、睡眠に入る前の準備にこだわったりと、様々な方法があります。
今回は、その中で枕を変えることでより良い睡眠をとるご提案です。たかが枕と侮るなかれ・・枕はとても大事な寝具なのです。
なぜ枕が大事なのか?(姿勢の観点)
枕がなぜ大事なのか、それは枕の役割を考えるとわかります。枕は、寝る時に頭と首の下に敷きますよね。これは、立位時の姿勢を寝ている状態でも保持する役割があるからです。
頸椎のS字曲線カーブが曲がると首や腰を痛める、とか聞くことがありますね。人間は立っている状態のS字カーブがもっとも自然な姿勢で、横になった状態でもこれをキープすることが大切なのです。
では枕がなかったらどうでしょう?頭が後ろに下がり、顎が上がった状態になります。枕が高過ぎたらどうでしょう?今度は逆に、頭が持ち上げられて顎を引いた状態になります。
これらの姿勢で立って過ごすことを考えたらどうでしょうか?辛いですよね。間違いなく首を痛めます。それを自然な体勢にするのが枕であり、ストレスのない姿勢を保てるものを選ぶ必要があるのです。
なぜ枕が大事なのか?(寝返りの観点)
もう一つ、なぜ枕が大事なのかには寝返りをうつことが関係してきます。人間は寝ている間に20回ほど寝返りをうつと言われています。
もちろん寝ている間なので無意識に寝返りをうっているのですが、きれいに寝返りをうてないと睡眠の質が悪くなってしまいます。
正しい睡眠の姿勢がとれていると、余分な力を入れずにコロコロと寝返りをうてますが、姿勢が乱れていると寝返りをうつのに余分な力を必要とするため、睡眠が浅くなってしまいます。
その結果、深い睡眠を保つことが出来ず睡眠の質が悪化するのです。
この正しい姿勢に関係するのが枕です。ここで言う正しい姿勢とは、自然と寝返りがうてる姿勢のことを指します。それは仰向けでも横向けでも頭の高さが変わらない、ということです。
平面の上ならばボールはコロコロ簡単に転がりますが、起伏のある面の上だと力を加えないと転がりません。それと同じです。
頭というボールが転がるには、転がることが出来る平面を枕が作り出さなくてはいけないのです。だから枕は重要なのです。
枕の選びかた
ではどんな枕にすれば良いのか、気になりますよね。先ほどの寝返りの話からすると、きれいに寝返りをうてることが重要だということになります。
かといって、ボールの例のとおりに真っ平の枕が良い、のではありません!ここが重要です。仰向きの姿勢と横向きの姿勢では、頭の高さが違います。
横になると肩がある分、仰向けで背中を下にしている状態よりも頭の位置が高くなります。つまり寝返りをうてば、勝手に頭の位置が上下するのです。
ということは、横向きで頭が高くなった時にも枕がその高さに合っていれば、自然と寝返りがうてるということになります。
最近の枕が、真ん中が低くなっていて両端が高くなっているのはそのためなのです。まずはそういう形状になっている枕を選びましょう。
低反発枕だと、その時の姿勢に合わせた形状になるので、高低の形状をそこまで気にする必要はありません。あとは、自分の気に入る材質や高さを試しながら選ぶと良いでしょう。
ですが、既製品だとやはり自分に完全にフィットするものを見つけることは難しいです。体型には個人差がありますからね。オーダーの枕を個人的にはオススメします。
若干値段は高くなってしまいますが、仰向け、横位の高さの計測から、枕の大きさ、枕の中に入れる材質の選択まで、自分に完全に合う枕を作ることが出来ます。
低反発枕から乗り換えた個人的な感想としては、特に横になった時の快適さが全然違います。オススメです!
まとめ
人間の姿勢、寝返り、という、自分ではどうしようもない要因によって睡眠の質は左右されてしまいます。そこに大きな影響を与えるのが、上記に見てきたとおり、枕という寝具です。
枕選びのところでオススメしたオーダー枕は、百貨店などに行けばコーナーがあるので手軽に作れます。たしかに値段は多少かかります。
しかし、1日の3分の1、つまりは人生の3分の1を占める睡眠の質を上げて、少しでも健康に寄与してくれるのならば決して高い買い物だとは思いません。ほぼ毎日必ず使うものですしね。
いやいや、それでも枕にそんなにお金を掛けたくない、という方もいらっしゃるでしょう。その方は、適当に選ぶのではなく、色々試した上で自分にフィットするなと思えるものを選んで欲しいのです。
睡眠を左右する枕、たかが枕と決して侮ってはいけませんよ。