海外で現地の言葉が使えなくて困ることのひとつに、お手洗いがあります。
日本のようにどこにでも公衆トイレがあるならば良いですが、国によってはコインを入れないと使えないトイレが主であったり、中にはほとんど公衆トイレがない国もあります。
トイレにまつわる表現を身につけ、借りられるところで借りるチャンスを逃さないようにしましょう。
ニュートラルに伝える
さっそく結論から入りますが、先方でお手洗いをお借りしたい場合は「Can I use the bathroom?」あるいは「May I use the bathroom?」がベターでしょう。
直訳すると「私はバスルームを使ってもよいでしょうか?」といったところでしょうか。「えっ、バスルーム? トイレット(toilet)じゃないの?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
たしかに、toiletは英語の単語から由来しています。しかし、toiletは便器の意味なのです。日本語の語感からすると「トイレ」というのは少し婉曲表現にも感じられますが、ネイティヴの感覚からすると直接的でやや下品に響くのですね。
そこで、bathroomと言います。きちんと通じるので、これで風呂に案内されるんじゃないか、などという心配はいりません。
優雅に伝える
そもそも日本語でも、「便所に行く」、「おしっこをしに行く」などの直接的な表現は公的な場では敬遠され、「化粧室」、「お花摘み」などの、より遠回しな表現が重宝されます。
英語でも全く同様です。例えば、お手洗いに行く際の古典的な表現として「Nature calls me」というものがあります。直訳すれば、「自然が私を呼んでいる」といったところでしょうか。
たしかに、お手洗いに行きたいという気持ち(たとえば尿意)は、人間のキリッとしていたい理性に対抗する大自然の水の力です。
お手洗いに立つのは恥ずかしい場面もありますが、このようにスマートに使えたら良いですね。
転じて、お手洗いに行きたい気持ちを「call of nature(自然の呼び声)」と言い、その生理的欲求を満たすことを「answer a call of nature(自然の呼び声に答える)」と言います。
緊急事態を伝える
優雅にお手洗いを伝える方法をご紹介して来たわけですが、お手洗いに行く必要があるときというのは、常にそれほど優雅だとも限りません。一刻も速く用を足したいというケースもあるでしょう。
そんなときに、その緊急事態を適切に伝える表現をご紹介します。ひとつめの表現は「I can’t hold it!」です。直訳すると「私はそれを留めておけない」ですが、直接お手洗いを指す単語がなくとも、このフレーズだけで尿意の限界状況のことを言っていることは伝わります。
また別の表現方法として、「I really need to go to the bathroom.」などのように、強い言葉を使う方法です。直訳すると「私は本当にバスルームに行く必要がある」です。
「貸してもらえませんか?」や「行きたい」ではなく「必要がある」というと、差し迫った感じが伝わりますね。
3つの表現パターンをうまく使い分けよう
総じて、お手洗いに行きたくなるのは生理現象であり、お手洗いにまつわる表現は海外に行く場合に絶対に必要となるものです。
この記事では、
(1)ニュートラルな言い方として「Can I use the bathroom?」、「May I use the bathroom」
(2)優雅な言い方として「Nature calls me」
(3)緊急事態を伝える言い方として「I can’t hold it!」、「I REALLY NEED to go to the bathroom.」
などの場合に分けてご紹介してきました。優雅な言い方は、すこしジョークのように響くかもしれません。緊急の言い方は、すこし子供っぽく響くかもしれません。
時と場所をわきまえて使うと良いかもしれませんね。